会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

ズバッと言ったのは緒方くんです。

それが出来てりゃ大伯父さまも『あいりん』に腹いせしてねえんですけどね……。

一人哀愁に包まれていると、隣から視線を感じました。

そっと見上げると、心配そうな顔をしたけいちゃんがいました。

なに、けいちゃんがそんな顔をする必要はないのさ、と笑みを返してみました。

……なぜかけいちゃんが心臓の辺りを押さえてそっぽを向きました。

あん? 人が愛想よくしてりゃ無視っすか? 兄の風上にも置けねえですな。

「……あんたら喧嘩してるのよね?」

胡乱な声に呼ばれて振り向けば、蔦子先輩と緒方くんがこちらを見て不思議そうな顔をしていました。

ですが時さんだけは納得したような顔です。

「湖月お嬢さん、彼氏と仲いいんだなあ。伽藍さんもフラれるわけだ」

「いや時兄、こいつらさっきまで生徒会室で怒鳴りあってたから」

バラさないでくださいよ緒方くん⁉ 対『湖風』にはけいちゃんと付き合ってると思わせなきゃなんですよ!

「え、そうなの? 伽藍さんに付け入る隙あるよって言うべき?」

余計なことすんなああああ‼ 時さんが優等生問題児ってこういうとこですかね蔦子先輩!

しかしそういう動揺が顔に出にくい私です。

音々にはむっつりだと言われていますが、猫かぶりやってりゃこんくらいにはなります。

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