会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
4 転校
side蛍都
幹のお兄さんが湖蘭さんの彼氏だったのには驚いたけど、それで『湖風』が『あいりん』に縁談を持ち掛けた理由もわかった。
そしてともすれば伽藍に味方しそうな時さんに、こーちゃんと俺のことは何も話さないように言ったわけだけど……。
「五月女伽藍(さおとめ からん)。一年の蘭丸湖月のはとこです」
……なんでこいつが転校してくる。しかも俺と同じクラス。
翌週の月曜日のことだ。
制服は仕立てが間に合わなかったのか、前の学校のものだろう姿で現れた五月女伽藍。
HRが終わったら即時さんに確認することを決めた。
そして伽藍からこーちゃんの名前が出ると、クラスメイトの視線は一気に俺に向いた。ま
あ、俺がこーちゃんと付き合ってると思ってる人もいるし、完全否定したこともないし。
その視線の動きで伽藍も俺に気付いたのか、思いっきり睨んできやがった。
男の嫉妬はみっともないねー。と、俺は余裕を持った笑みを浮かべた。
内心、くそ俺とこーちゃんの学園生活邪魔しにきやがったな邪魔者め。……とか思いながら。
「はー、疲れた」
放課後、生徒会室に入ると既に幹がいた。
俺はカバンを床に置いて、椅子に思いっきりもたれかかった。
「まーた新聞部が騒いでますよ。蘭丸の美形はとこが転校してきたって」