会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「うん」
「じゃあ会長も蘭丸の猫かぶりに加担してたわけですか」
幹の語調は怒っているというより、分析している感じだった。
顔をあげて、また背もたれ側に体重をかけて座った。
腕を組んでみる。
「加担って。仲良かった子が秘密にしてるんなら、俺からバラすのもおかしくね? 一緒に秘密を護るだけだよ」
「蘭丸のアレ知られたら軽く事件ですよ? 何人の男子が騙されてるか……」
「幹」
幹の名前を呼ぶと、びくっとその肩が跳ねた。
俺は笑顔を張り付ける。
「もしかしてだけどお前も騙されてたクチ?」
普段通りの語調に気を付けて問うと、幹はビクビクしている猫みたいな目で俺を見て来る。
「お、俺が知ってるのは初っ端から会長の気配がある蘭丸だったんで、誤解はしてましたけど騙されてはいないっす」
ふん? 確かに幹からこーちゃんに気がある感じを受けたことはないけど……。
「あ、俺からバラしたりはしないですから。たぶん蔦子姉ちゃんも」
「あ、それは約束頼むわ。こーちゃんにムシが寄るのやだし」
口止めすんの忘れてた。とりあえず幹と哀淋だよな。
「……本性見たらみんな散っていくと思いますけど……」
幹のボソッと発言、聞き逃さないよ?