会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「転校初日とは言ってもこの学校の下調べはしてある。雑務なら手伝えることもあるんじゃないか?」
「え、――いや、」
「いいじゃない朝宮。伽藍にも手伝ってもらいましょうよ」
どこから話を聞いていたのか、哀淋が生徒会室へ入ると同時に言って来た。
「蔦子」
「うちに転校かますとかどういう腹積もり? 伽藍」
……え、お互い名前呼び? でもそりゃそうか。面識あっておかしくないし、同い年だし。
「湖月が心配でここに移った」
転校の理由はそっちだったか。そして明け透けなく言うのか。
「そういうこと。朝宮。部外秘は守るだろうから、とりあえず今は伽藍に手伝ってもらいましょう。じゃないとまた九条先生が半分で現れるわ」
「怖いな。伽藍、そういうことでいいのか?」
「構わない」
よし。なにがよしだかわからないけど、人手を得て更に俺としては伽藍を監視下? に出来て一石二鳥かもしれない――
「ああ言って置くけど朝宮。お前に湖月はやらないからな。湖月は俺の嫁だ」
「………」
伽藍に掴みかからなかった自分を褒めたい。
幹と哀淋は驚いた顔になって、こーちゃんは長くため息をついた。
俺は精いっぱいの笑顔を作った。
「ほざけ」