会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

今は――と言うか小学生当時から俺は処世術として人当たりよくすることも心得ていたから、俺の素を知っているのは本当に仲の良かった数人の友達だけ。

あと俺の性格を見抜いていたこーちゃんだけ。

「蛍都、学校の方は……」

「あんたに報告することは一つもない」

空になったカップを少し乱暴に置いた。相手の肩が軽く跳ねる。

真っすぐに忌々しい顔を睨みつけた。

「あんたを父と呼ぶことはない。なんで今日ここにいる? と思うか? どんなクズだろうと人を見捨てることが出来ない俺の弱さに、あんたはつけ込んでるだけだ」

もう帰ろう。弱さゆえここに来たけど、もういいだろう。わざわざ会いたい人間もないし。

カップを持って立ち上がり踵を返した瞬間、目があってしまった。三対の目と。

……うそだろ……。

「蛍都?」

「黙れ」

あいつの手前、ここは無視だ。

カップを返却口に置いて、ポケットからスマホを取り出して、生徒会のグループにメッセージを送る。

『何も喋らずに出てこい』

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