会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「え、略奪愛でもしてきたの?」
「小唄さん話が飛び過ぎでは」
どうしてそんな発想になるんだ。驚き顔の小唄さんに、目が平坦になる。
「こーちゃん――湖月はつかまえてないと腹蹴って逃げようとするんで」
「失敬ですよけいちゃん。今は足踏んづけて逃げる程度ですよ」
「何かを学習して成長したわけじゃないからね、それ。威張らない」
最近は足踏んづけて逃げてるのか。気をつけよう。
「なんかよくわかんないけど、ゆっくりしていってね」
と、小唄さんは手早く注文をまとめてカウンターへ戻って行った。
「こーちゃん? どうかした?」
きょろきょろと店内を見ているこーちゃんが気になって訊くと、
「ここがけいちゃんがバイトしているところなんだなあ、と」
という返事が。……可愛いことを。