会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
ここに友達が来たことは何回かある。
バイトしていることは学校公認だから隠していないから、友達が来るのも大歓迎だ。
ただ、さっきの男爵といい雰囲気のありすぎるお客さんが多い、カフェと言うよりは喫茶店だからか、そう頻繁には来ないけど。
「あと……」
うん? こーちゃんが今度は少し言いづらそうにおずおずと切りだした。
「なに?」
「この前は……すみませんでした。緒方くんのお兄さんが来た日……」
「あ。あー、うん。そういや有耶無耶になってたね。俺こそ怒鳴って悪かった」
お互い頭を下げ合う。どこが悪かった、とか追及は必要ないだろう。
自分の思うところに従って行動した結果ああなって、喧嘩になってしまった。
でも、こーちゃんとはこうして謝り合うことが出来る。
片方が謝って、「そうだ、お前が悪いんだ。わかればいい」という形にはしたくない。
「そういや蘭丸、会長のこと名前呼びしてて大丈夫か? 周囲の女子とか」
あ。そういえば最近こーちゃん、俺のこと名前で呼んでくれるんだよな。
会長でもいいし、記憶が完全に戻ってからでもいいんだけど、こーちゃんに呼ばれるのは俺にとって特別感がすごいんだ。
「たぶん大丈夫です。この前の土下座かましで、みなさんのけいちゃんを見る目も変わったみたいですし」