会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
わかるの⁉ 哀淋の感想にまた驚いた。
「身内で結婚に問題ない間柄かつ近すぎなければ、そこで固めたがるのよね。私も時兄が婚約者候補だった時期あるわ」
こういうところをわかり合う、いいとこのお嬢様たち……。俺は若干引いている。
「幹もわかるのか?」
ちょっと音量を下げて訊けば、
「いや、俺は哀淋本家じゃないからそこまでは……。でも、うちから哀淋の家に嫁入り婿入りした人はいますよ」
そこまではと言いつつ、やっぱりこいつもその系譜だった。そして俺はぼっちなのか……。
――そのあと小唄さんが持って来てくれたお茶をいただいて、なんとはなしに話して、幹と哀淋は家が隣同士だから一緒に、こーちゃんは俺が送っていくことになった。
こーちゃんの家――自分の生家に近づくのはちょっと抵抗があったけど、こーちゃんを一人にして変な奴にからまれる方が嫌だから否(いな)やとは唱えなかった。
「ありがとうございました。ではここで」
こーちゃんの家の前まで来ると、こーちゃんが頭を下げた。