会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

と、終わりにしようとして頭を下げたら、こーちゃんのお母さんは目をぱちぱちさせた。

「懐かしいわ……こーちゃんって呼び方」

あ……そういやそうだ。小学生当時からこーちゃんのあだ名は『蘭』だった。

「こーちゃんのお母さんとお父さん以外には俺だけでしたっけ、そう呼ぶの」

思わず穏やかな気持ちになってしまう。

「え……ああ、そうね。高校生にもなったら湖月呼びだけどね」

「こーちゃんも湖月も可愛いです」

「蛍都くん、口が上手くなったわねえ。送ってくれてありがとうね」

「いえ。じゃあね、こーちゃん、また学校で」

「はい」

軽く手を振る俺と、頭を下げるこーちゃん。こーちゃんのお母さんにも手を振って見送られた。

今の家へ帰る道。早く一人暮らししたいなあ……とか考えながら。あの感じだと、こーちゃんの家は親子仲よさそうだ。よかった。………。

『あらぁ、蛍都くん』
『え……ああ、そうね』

……? なんだろう。こーちゃんのお母さんが不審というか、胸に残る違和感があるのは……。なんだろう……なにかが違う気がする……?

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