会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
side湖月
けいちゃんのご両親、今は一緒ではないみたいでした……。
昔の、とはっきり言っていました。
蔦子先輩から、自分も詳しくはないけどけいちゃんの家は母子家庭らしい。そのためにバイトが認められている、という話を今日聞いていました。
私のことは何でもしっているくせに、自分のことは教えてくれないんですね……。
なんとなく疎外感を覚えながら自分のベッドに突っ伏していると、背中に程よい重みと温かみが……。
「うみゃお」
「うん……」
不思議です。動物って、凹んでるときは高確率で傍に寄り添ってくれます。
察知能力高すぎでは。
記憶の一部が、思い出す、という形でよみがえりました。
今よりずっと幼いけいちゃんが私の前にいつもいるのです。
私はその背中を追ってばかりで。
……そして私より性悪だというところまでは思い出しました。
今まで何があっても『思い出す』ことはなかったのに……けいちゃんのおかげでしょうか? このまま行ったら記憶も戻るかもしれません。
……少しだけ、怖いですが。