会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

一応会長の方を見て訊くと、会長はふわっとした笑みを見せました。

「こーちゃんが記憶取り戻したいって言うなら俺、手伝うし、俺が憶えていること聞きたければ話すし、俺、こーちゃんの味方だから」

会長のふわっとした笑顔が、なぜか神々しく見えました……。

そう言えば会長、よく『俺のこと見て』って要求をしてきました。

私には謎でしたが、自分のことを憶えているか、確かめていたのでしょうか……。

なんか、おかしいですね。いや、色んなことが、です。

思わず唇の端が緩んでしまいます。

「そういえば、今まで誤魔化されてきましたけど、どうして私の裏を知ったんですか?」

入学して少し経った頃、先生に生徒会室へ行くよう言われました。

意味がわからないまま生徒会室へ赴くと、生徒会室には会長一人がいて、『蘭丸。本当は雑で乱暴で凶悪な性格をバラされたくなかったら、生徒会手伝って』と要求してきたのです。

最初は何言ってるんだこの人はと思い『誰かと間違えていませんか?』と、私の方が誤魔化そうとしたのです。

が、『乱暴な言葉遣い。男子は喧嘩相手。雑な態度と悪い目つき。――君のことだよね?』……と言われたのです。

< 20 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop