会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「……心?」
を、守るため……?
言葉の意味がわからずに繰り返すと、湖蘭さんは「ええ」と肯いた。
「端的に申し上げれば、湖月の両親は亡くなっています。湖月が小学生のとき、二人とも事故で」
「え――」
亡くなって、いる……? でもこーちゃんからそんな話聞いたことないし、俺、こーちゃんのお母さんに逢ったよな……?
「でも俺、こーちゃんのお母さんにこの前逢いましたよ……? 別人だとは……」
思わなかった。
「今の両親は、湖月にとっての叔父と叔母にあたります。父の弟と、母の妹です。湖月の生みの両親と、今の両親はきょうだい同士なので面差しも似ています」
「―――」
叔父と叔母? あ……そうだ。こーちゃんの家に遊びにいったとき、逢ったことがある。こーちゃんのお父さんとお母さんの、弟さんと妹さん。
そこまで頻繁に逢う関係ではなかったから、確か二人とも俺のことは『蛍都くん』って呼んでいたはずだ。
朧な記憶を掘り起こす。