会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「わたしまでいいの? ありがとう、さすが緒方くん」
緒方くんは今日のために言った通りお菓子を準備していてくれたそうです。
音々が私と一緒に帰っていると知ると、音々の家の分も。
「何気に私、友達の家に行くのレアなのよね。昨夜は興奮して寝られなかったわ」
「蔦子先輩お忙しいですもんねえ」
けいちゃんを尾行したときの蔦子先輩の丸一日のお休みも半年ぶりとか言っていました。
「そんで眠れなくて薄い本読んで余計眠れなくなったんだろ?」
緒方くんがため息をともに言いました。
ああ……と納得出来てしまいました……。すみません、蔦子先輩……。
「薄い本?」
「音々、気にするな」
小首を傾げる音々に言って置きます。
「蘭丸って浅井には素? なんだ?」
あ、やべ。
「ああ、蘭、ネタバレしたんだっけ」
「ネタバレって言うなよ。バレたけどネタじゃない」
可哀想なものを見る目の音々に返すと、「ふーん」「へー」という声が蔦子先輩と緒方くんから聞こえてきました……。にやついていそうです……。
「同じ猫かぶりでも朝宮はバレる気配ないわよね? 私たちも気づかなかったし」