会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「……あっちが裏なの? まあ、新入生の名前の中に『蘭丸湖月』があって、苗字も名前も珍しいから、絶対こーちゃんだよなって思って楽しみにしてたんだけど、俺が近くに行っても全然反応ないから、俺のこと忘れたフリしてるな? って思ってた。そう思ってこーちゃんのこと見てるうちに、こーちゃんが同学年にも敬語で話してるから驚いてね。俺の中のこーちゃんって、言葉も態度も結構だったから」
「………」
バチクソ私のこと知ってる人の発言ですね。
「まあそれで、せっかく逢えたんだから仲良くできたらなーと思って、生徒会に引きずり込んだわけだ。一向に思い出してくれなかったから、今話しちゃってるわけだけど」
「それは……すまなかったです」
「や、俺こそ話しにくいこと話させちゃってごめん。でも、こーちゃんの味方ってのは、ほんとだから」
………。にやけますな。まあそれを、また私が誤魔化しましょう。
立ち上がり、スカートから葉っぱを払います。
「ありがとうございます。ですが『けいちゃん』と呼ぶのは、記憶が戻ってからにしたいです。ちゃんと、会長のことを憶えている私が呼ぶべき気がします」
会長は、座ったまま私を見上げてきます。
「真面目なとこは変わんないね、こーちゃん」