会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
不思議に思って訊くと、けいちゃんは苦笑気味に言いました。
「俺が友達の家に行くのに休むの珍しいからって、せっかくだから持っていけってくれたんだ」
「そんな……わざわざお気遣いありがとうございます、とお伝えください」
「うん、行ってくるね」
けいちゃんを見送って、さて蔦子先輩は放っておいていいものか、と考えを再開すると、
「蘭、わたしも一応朝宮先輩の様子見て来るね」
「え? ああ……」
なんで音々まで出ていくのかわかりませんでしたが、私が何か言う前に行ってしまいました。
……私まで追いかけるのも難だしなあ、とりあえず部屋にとどまりますか。
「蘭丸」
緒方くんがこそっと呼んできました。
顔を向けると、楽しそうな顔の緒方くんが、笑いをかみ殺しながらささやいてきました。
「ワケは今度話すから、今は蔦子姉ちゃんと一緒にいてやって」
「? わかりました……」
蔦子先輩、ワケありなんですか? もちろん一緒にいますとも。
「蔦子先輩は猫派ですか? 犬派ですか?」
再び、蔦子先輩の隣にしゃがみこみます。