会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「あ、そのこーちゃんって呼び方、人前ではやめてくださいね? 勘ぐられるのも面倒ですし、私も自分の記憶どうのをあまり他人に話す気はないんで」
「わかった。じゃ、今まで通り『蘭』で」
「お願いします」
会長がお隣さん……まあ、それについては、両親に訊いてみれば確証は得られるでしょう。
「あ、会長。先に生徒会室戻っていてください。職員室から持ってくる資料あるの忘れてました」
「ん。りょーかい」
そこから玄関までは一緒に歩きましたが、生徒会室と職員室では廊下から別方向になるのでそこで別れました。
会長とは反対に歩き出し――階段の陰に、身を隠しました。
「――――――」
胸のあたりを抑え込みます。心臓がドクドク鳴っていて、目はチカチカしている気分です。
私の脳内は、一つの言葉に支配されていました。
――いた。私のなくした記憶を知っている人が。