会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
……なーんか誤解されたよな?
でもまあ、悪く思われたわけじゃなさそうだしいっか。
店主のおじさんから預かったお菓子を渡して、こーちゃんの部屋に戻ろうと階段に足をかけたところで。
ふっと顔をあげると、口を真一文字に結んで中段あたりから俺を見下ろす浅井がいた。
「朝宮先輩。わたしとも同盟を組みません?」
え、それ真顔で言われると怖いセリフ。
「聞いてたのか?」
「聞いていました」
聞こえてきました、とか偶然ですとは言わないんだ。開き直るんか。
浅井が階段を下りて来る。
「何を持ち掛ける気だ?」
浅井は階段を下り切って、俺と同じ高さに立ち、見上げて来た。
「蘭のご両親が話すときまで、蘭を護る同盟です」
……浅井はこーちゃんのこと、ことのほか大事にしているようだ。
だから俺とよくぶつかるんだろう。
親友……の域を超えているように感じるのは俺だけか?
「浅井はなんでそこまでこーちゃんを優先する?」
俺が問うと、浅井は軽く目を伏せた。
「……蘭のご家族の事故は、警察が関わっているんです」