会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「? 事故だったら警察が担当するだろう」
関わっていて問題ないと思うけど……。
俺の言葉は的を射ていなかったようで、浅井は視線をさげたまま続けた。
「私の家族は警察官です。家族が直接関わっているわけではありませんが、逃走犯を追っていたパトカーとの事故なんです」
「―――」
「蘭にそのことは言えていません。蘭は自分が事故に遭った記憶もあやふやですから……。詫びとか、贖罪とか、わたしの蘭への行動に名前は色々つきます。でもわたしは、ただ蘭を親友として傷ついてほしくない。そう思って今、持ち掛けています」
最後は俺の顔を見て言い切った浅井。
大事の位置が、俺とはまた違うんだな。
だからこそ俺たちはこの先もぶつかるだろうし、同じ秘密を共有することもできる。
こーちゃんに気付いてほしくないという気持ちで。
「……わかった。乗る」
「では、裏切りはなしで」
「もちろん」