会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「ゆ――」
「誘拐犯とか言わないでね」
読まれてる! けいちゃんに腕を掴まれて引きずり込まれたそこは空き教室になっていて、当然誰もいません。いや誘拐でよくねっすか⁉
「こーちゃん、他の人の目があると猫かぶって本当のこと言わないから」
「………」
そういう理由でこういうことしますか。
これは開き直った方がよさそうですね。
仁王立ちして腕を組んでみました。
「私が失態続きだからなんですか。あざ笑うんなら今のうちですよ」
「なにギレだよそれ。いや、普通に心配してるだけ」
……心配してくれる奴の仕打ちですか。腹蹴って逃げてやりましょうか。
「私を心配しても得しませんよ」
足を、いつでも逃げられる位置に動かしました。
けいちゃんは私よりドアに近いので、最悪アゴ蹴っ飛ばして戦闘不能にして逃げましょう。
「見返りも止めてするもんじゃないだろ、心配って。こーちゃんこそ何か心配事でもあるの? こーちゃんが毒吐いてないと心配だよ」
「ヒトを毒持ち生物みたいに言わないでもらえます? つーか原因はどう見てもけいちゃんでしょう」