会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
なんつーか、めんどくせえ。
どうせこーちゃんに直接確かめたらすぐわかることだし、親友だって言うんなら追い追い知ることにもなるだろう。
「……昔、隣に住んでた子かどうか確かめたいからだよ」
「隣?」
「そう。俺、小学校んとき一回転校してるんだけど、生まれた時からのお隣さんの、俺の一個下の女の子が蘭丸湖月って名前なんだよ。面差しも似てるし、珍しい名前だから本人だと思うんだけど……」
「けど、なんですか? 蘭の方から訪ねてこいとか思ってるんですか?」
そこまで傲慢じゃねーよ。
「……俺の知ってる蘭丸湖月は、もっと凶暴だった」
「………」
浅井が、呆気にとられたような顔で黙った。
まさか親友がそんなんだとは思っていなかった……とかだろうか。
だとしたら申し訳ないし、更に怒らせるだけな気が――
「……ほんとうなんだ……」