会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「ん? なんか言ったか?」
浅井の方から小さな声が聞こえて来た。
はっきりとは聞き取れなかった……。
「失礼しました。私、生徒会には入りません。では、これで」
また頭を下げた浅井は、くるりと踵を返した。
「は? なんでそうなる――」
「私」
階段の前で足を停めた浅井は、振り向かないまま喋る。
「蘭は大事な友達なんです。でも……」
「でも、なんだ?」
蘭丸湖月に何かあるのか? そう訊こうとしたけど、
「なんでもないですっ」
そう言って、浅井は階段を降りて行った。
……何かあるのか。
そうは思ったけど、追いかけてもヘンな噂ふりまきそうだし、やめておいた。
そして生徒会室に戻り――
「何スカウト失敗してんの朝宮」
「三人じゃキツいっす……会長……」
浅井を生徒会に入れ損ねた俺は批難ごうごうで。