会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「朝宮、中学の後輩とかいないの? 生徒会入ってくれそうな子」
生徒会顧問の九条先生まで困っている様子。
確かに、三人で一年やっていくのは厳しいい……。
うん? これってチャンスでは?
そう思って、蘭丸湖月をスカウトしたわけだ。
間近で接していたら、さすがに思い出してくれるんじゃないかな、という下心つきで。
けれど蘭丸湖月は一向に俺を気にした様子はなかった。
俺が蘭丸湖月の裏を知っている、それをバラされたくなければ生徒会手伝って、という、なんともカッコ悪い脅し方をしたわけだ。
蘭丸湖月はよほどバラされたくないのか、生徒会室にやってくるようになった。
実際、蘭丸湖月は仕事が出来た。
要件は一度で全部覚えるし、書類ミスはないし、普段は穏やかな態度を徹底しているから、どこへ遣いに出しても問題は起きない。
しかし、一向に俺を知っている素振りは見せない。
もう俺の中では蘭丸湖月=こーちゃんだったから、なんとしてもこーちゃんの方から気づかせたいと思うようになっていた。
先に気付いたと思っている俺の、ただの意地だ。
だから、こーちゃんが俺の仕事だけを手伝うように差配した。
哀淋や幹の仕事がいかないように。