会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
一時間ほど電車に揺られてから家までの十分ほどの道を一緒に歩いているのは、クラスメイトでもある浅井音々です。
中学の頃、空き家になっていたうちの隣の家に引っ越してきて以来仲良くさせてもらっています。
音々は小柄で、茶色が勝った髪はボブですがふわっとしている可愛らしい癖っ毛です。
鞄を体の前にして両手で持つ様なんかは、どこぞのお嬢様のような気品すら漂っています。
とても私が並んでいいものではありませんが、親友なのです。
「テキトーな委員会に入ってバリバリ働くつもりだったんだよ。あたし小間使いみたいなの上等だけど、使われてんのが会長ってのがイライラする」
「朝宮先輩のこと変態とか言うの蘭だけだよ。なんてったって学校一のイケメンで女子の憧れの的なんだから」
あれが……ですか……。
「じゃあ音々が代わって? あの朝宮会長の小間使い」
「それは無理。私、朝宮先輩とは相性よくないから」
にっこり笑顔で結構なこと言う親友です。