会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
音々が、少しうきうきした様子で言ってきます。
ふむ。蔦子先輩が会長ですか……。
「……そら、雪国のような生徒会室になりそうだな……」
蔦子先輩は学内に優秀さを轟かせるクールビューティーです。
腰まで流れるつややかな黒髪と、透けるような白い肌。
目はやや吊り気味で、いつも眼鏡をしています。
そして一度も笑ったことがないと噂されていて、私も一か月以上、週何日かの昼休みと、放課後を一緒に過ごしていますが、確かに笑ったところを見たことがないんですよねえ。
冷たいわけではなく、あくまでクール。カッコいいのです。
生徒からの信頼が何故か厚いらしい会長にビシッと言える副会長です。
ですがたまに蔦子先輩、生徒会室を吹雪が吹き荒れるような空間にすることもあります……。
「蔦子先輩だったら会長もコントロールできそうだな。付き合えばいいのに」
あ、これは勿論、会長への嫌がらせです。
蔦子先輩は私の言葉に乗ってくるようなお方なので、会長も頭があがらんのです。
「いいねえ~。美男美女。仕事がバリバリ出来る二人なんて、学校中が注目だね」
……ありゃ。音々、会長が苦手と言う割には、会長のこと持ち上げるんですね?
「音々、会長のこと苦手でもイケメンとは思うんだ?」
「え? 苦手じゃないよ? 大っ嫌いなだけ」
「………」