会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「幼馴染から許可出たからいいわよね?」
「幼馴染の権限すげえな! え、ちょっと待て――」
有言実行の女・哀淋蔦子は本当に俺の後ろ襟首を掴んで引きずり出した。
「哀淋⁉ せめてこれはやめて⁉」
「うるさいわね。逃げられたら私も一巻の終わりなのよ」
「だったら本当の彼氏連れて行きゃいいじゃねえか!」
「……朝宮」
廊下の途中で哀淋の足が停まった。
俺の襟首は掴んだままだ。
部活の生徒がなんだなんだと見て来るけど、騒いでいるのが俺らだと気付くと、なんだいつもの生徒会か、と納得している。
何に納得してんだよ。
「私は腐女子よ」
「知ってます」
なんでそんな胸を張って偉そうに宣言する。
「私にとって、腐ってから出逢った総ての男は妄想の対象よ!」
「………」
何言ってんだこいつ。