会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「………」
哀淋のお父様、否定しなかったよ。
「まあ、そういう理由があってな。私たちの勝手な話だが、一人娘の蔦子を嫁にやるわけにはいかないし、湖風が息子を婿に出すとも思えない……何かしら裏があるだろうと思い、蔦子には婚約者がいた方がいいと判断したんだ。だからまあ……偽物でもいいんだけどね?」
「「「…………」」」
俺、哀淋、幹、揃って黙った。
哀淋のお父様の目が、明らかに「わかってるよ」と穏やかに言っていた。
……俺らの企み程度、とっくにバレバレでしたか……。
いきなり哀淋が身を乗り出した。
「じゃ、じゃあ幹を連れてきていたらどうなっていましたの?」
「――――は?」