会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「先ほども言ったように、幹をこれ以上蔦子の被害者にするわけにはいかないからな。幹、彼女や好きな人が出来たら早いうちに私に言うんだぞ?」
この言葉に食いついたのは哀淋だった。
「わたくしに彼氏が出来るのではなく幹に好きな方が出来るほうが先ですの?」
「当たり前だろう」
あ、当たり前なんだ……哀淋のお父様、結構毒舌気味……。
仲間になれそう。
「朝宮くんは、巻き込んでしまって本当に申し訳なかったね。最初から『湖風』の話をしておけばよかったよ……」
「いえ。この経過を経たから形になったこともありましょう。僕は部外者ですが、二人の学友として手助けできることがあれば致しますので」
学友、というところを、生徒会の仲間として、と言おうかとも思ったのだけど、それだと範囲が狭い気がして、もっと広い意味で二人を助けられたらと思っている、という意味で学友を名乗らせてもらった。
「それはありがたい。朝宮くん、蔦子と幹がまた迷惑をかけるかもしれないが、これからもよろしく頼むよ」
哀淋のお父様とお母様からもう一度頭を下げられて、俺からも肯いておいた。
そしてやっと解放されて……哀淋と幹も一度学校に戻ると言うから、一緒に料亭『あいりん』の敷地を出たところで、びっくりしてしまった。
こーちゃんがいた。