会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「終わりましたか」
生垣に隠れるように身を潜ませていたらしいこーちゃんは、俺たちが姿を見せると制服についた葉っぱを払いながら立ち上がった。
「こーちゃん? 来てくれてたの?」
「会長がSOS出してきたんじゃないですか。緒方くん、話は落ち着きましたか?」
こーちゃん……あのメッセージ、哀淋に押し込まれたタクシーの中で震えながら打ったもので、なんでもいいからすがるものがほしくて送ったもので、本当に来てくれるとは思ってなかった……。
なんだかんだ、こーちゃんは優しい女の子に成長したのかな。
「一応……。ことの顛末は生徒会室戻ってから話す。今、タクシー呼んでるから」
「なるほど? 今回は会長が大変だったみたいですから、あとで泣きごとくらい聞きますよ?」
「蘭! 私は――」
「蔦子先輩は元凶でしょう」
「あう……」
真顔で言うこーちゃんに、哀淋が軽く身を引いた。
こ、こーちゃんの性悪が哀淋にも向くようになってる……? 本性知っている人以外には完全に善良な人対応だったのに!