会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「え、もしかしてここで働いてる人?」
こーちゃんが少し驚いたように質問した。
俺もそう思ったよ。
お嬢様の湖蘭さんの彼氏なのに内緒とか、認められない相手なのかな? って。
「そう。今、厨房で修行中なの。内緒って言っても、おじい様とか知っている人は知ってるんだけどね」
湖蘭さんのおじい様って、こーちゃんの大伯父さんだよな? それって大ボスに知られているってことでは……?
「大伯父さまに知られてて大丈夫なの?」
こーちゃんも本気で驚いているようだ。少し声が大きくなっている。
一方の湖蘭さんはからからと笑う。
「もー大反対されてる。でも彼も私と似ててノリいいから、ロミジュリごっこを楽しんでるわ」
すげえ。さすがこーちゃんのはとこ。肝が据わっていらっしゃる。
「湖月!」
感心しているといきなり大声が響いて、びくっと肩が跳ねてしまった。
誰だ? 声のした方を見やると、俺と同い年くらいの男がずかずか歩いてくるところだった。
湖蘭さんは和服だけど、男は高校生くらいの普段着といった感じ。