冬の花
12
映画公開初日の舞台挨拶が、
始まる。
初日にK県が選ばれたのは、
主演の私の出身県だからではなく、
この映画の監督がk県出身だから。
私は遠い昔、お母さんとこの映画館に来た事があると思い出した。
あれは、小学二年生くらいの頃か?
夏休み、アニメの映画を母と二人観に行った。
その時の記憶はもうかなり薄れてしまっているけど、
あの時映画館はとても大きく広く感じたけど、
大人になった今、
こんなにも小さかったのだと、
舞台に立って客席を見渡した時に思った。
300席くらいはあるのだろうか?
舞台挨拶が始まり、
一番初めに監督が司会者に促され挨拶をしている。
私は心ここにあらずで、
それを聞いていた。
私は、この仕事が終わったら、自首をする。
今のように、こうしてこんな華やかな場所に立てるのは、
これで最後。
あの日、阿部さんと会わなくて、父親が死ぬ事がなければ、
きっと今頃私の人生は最悪だったような気がする。
この数年間、本当に幸せだったのだと改めて思った。
もう、充分。
始まる。
初日にK県が選ばれたのは、
主演の私の出身県だからではなく、
この映画の監督がk県出身だから。
私は遠い昔、お母さんとこの映画館に来た事があると思い出した。
あれは、小学二年生くらいの頃か?
夏休み、アニメの映画を母と二人観に行った。
その時の記憶はもうかなり薄れてしまっているけど、
あの時映画館はとても大きく広く感じたけど、
大人になった今、
こんなにも小さかったのだと、
舞台に立って客席を見渡した時に思った。
300席くらいはあるのだろうか?
舞台挨拶が始まり、
一番初めに監督が司会者に促され挨拶をしている。
私は心ここにあらずで、
それを聞いていた。
私は、この仕事が終わったら、自首をする。
今のように、こうしてこんな華やかな場所に立てるのは、
これで最後。
あの日、阿部さんと会わなくて、父親が死ぬ事がなければ、
きっと今頃私の人生は最悪だったような気がする。
この数年間、本当に幸せだったのだと改めて思った。
もう、充分。