冬の花
2
再び家の外に出ると、先ほどよりも一段と風と雪が強くなっていた。
私は傘を開き、早足で歩く。
早くビールを買って、早く戻ろう。
私は商店街にあるこの村唯一のコンビニへと向かう。
このコンビニは元々は酒屋だったので、お酒類も置いている。
そして、店主のおじさんとは昔からの顔見知りなので、
未成年の私にも売って貰える。
「あかりちゃん、またアイツに買って来いって言われたのか?
もう暗いし、こんな雪の日に!
あんな父親捨てて、さっさと綾子さんの親戚の所に行きな」
缶ビールを二本持ってレジに立つと、
このコンビニの店主の坂本さんはそう言った。
綾子は私のお母さんの名前で、
彼と同じように、私はお母さんの親戚の所に行きな、と言ってくれる人はこの村に沢山居た。
父親は孤児らしく、私が頼れるのは、もう母親の親戚だけだと言う。
「でも、お母さんのお葬式の時もそうだったけど、誰も私を引き取ろうとはしてくれなかったから」
そう口にして、私の父親を悪く言うけど、一切私を助けようとしてくれなかった親戚達の顔を思い出した。
あの人達は血は繋がっているけど、他人なのだと感じた。
実際、あまり親戚付き合いもしていなかったので、
ほとんど知らない人ばかりだった。
唯一、母方の祖母もこの村に住んでいて私を本当に愛してくれているが、
体を壊していて3年程前から施設に入っている為、
私を引き取る所ではないだろう。
私は傘を開き、早足で歩く。
早くビールを買って、早く戻ろう。
私は商店街にあるこの村唯一のコンビニへと向かう。
このコンビニは元々は酒屋だったので、お酒類も置いている。
そして、店主のおじさんとは昔からの顔見知りなので、
未成年の私にも売って貰える。
「あかりちゃん、またアイツに買って来いって言われたのか?
もう暗いし、こんな雪の日に!
あんな父親捨てて、さっさと綾子さんの親戚の所に行きな」
缶ビールを二本持ってレジに立つと、
このコンビニの店主の坂本さんはそう言った。
綾子は私のお母さんの名前で、
彼と同じように、私はお母さんの親戚の所に行きな、と言ってくれる人はこの村に沢山居た。
父親は孤児らしく、私が頼れるのは、もう母親の親戚だけだと言う。
「でも、お母さんのお葬式の時もそうだったけど、誰も私を引き取ろうとはしてくれなかったから」
そう口にして、私の父親を悪く言うけど、一切私を助けようとしてくれなかった親戚達の顔を思い出した。
あの人達は血は繋がっているけど、他人なのだと感じた。
実際、あまり親戚付き合いもしていなかったので、
ほとんど知らない人ばかりだった。
唯一、母方の祖母もこの村に住んでいて私を本当に愛してくれているが、
体を壊していて3年程前から施設に入っている為、
私を引き取る所ではないだろう。