冬の花
◆
阿部さんと二人、先程と同じように父親がくるまれているブルーシートの塊を車内から取り出し持ち上げる。
「一回下ろして」
阿部さんにそう言われて、地面にそれを下ろした。
自分の両手が震えていて、今もまだ自分のした事が怖くて仕方ない。
阿部さんは、近くから転がっていた大きな石を持って来ると、
それをブルーシートを巻いていたロープの一部を外し、
その石を押さえるように挟み込んだ。
「…もっと石拾って来ます」
私はそう言って、大きな石を探す。
目ぼしい物をせっせと阿部さんの元へ運ぶ。
その間、阿部さんはロープを外しブルーシートを広げていた。
私に気を使ってなのか、父親の顔はブルーシートで隠している。
顔は隠れているが、それは紛れもなく父親の遺体で、
大量の血が付いている。
「その石、この中に入れて。
そして、もう一度シートでくるむから」
「…はい」
雪は相変わらず強くて、父親の遺体がすぐに真っ白になった。
阿部さんと二人、先程と同じように父親がくるまれているブルーシートの塊を車内から取り出し持ち上げる。
「一回下ろして」
阿部さんにそう言われて、地面にそれを下ろした。
自分の両手が震えていて、今もまだ自分のした事が怖くて仕方ない。
阿部さんは、近くから転がっていた大きな石を持って来ると、
それをブルーシートを巻いていたロープの一部を外し、
その石を押さえるように挟み込んだ。
「…もっと石拾って来ます」
私はそう言って、大きな石を探す。
目ぼしい物をせっせと阿部さんの元へ運ぶ。
その間、阿部さんはロープを外しブルーシートを広げていた。
私に気を使ってなのか、父親の顔はブルーシートで隠している。
顔は隠れているが、それは紛れもなく父親の遺体で、
大量の血が付いている。
「その石、この中に入れて。
そして、もう一度シートでくるむから」
「…はい」
雪は相変わらず強くて、父親の遺体がすぐに真っ白になった。