冬の花
阿部さんは私の肩に腕を回すと、
私を引き寄せ、そのまま私にキスをした。
阿部さんの唇が、私の唇に重なる。
温かくて、柔らかくて、
その感覚にさらに涙が溢れる。
キスはさらに深くなり、私は初めてだからどうしていいか分かず、
その流れに身を委ねた。
阿部さんの手が私の体に触れ、
制服の中に入って来る。
どうして、阿部さんは私にこんな事をするのだろうか?
頭の片隅で、思う。
私が好きだ、とかそんな感情ではないのだろう。
きっと、阿部さんも不安なのだろう。
初めてではないとは言え、人を殺して。
触れ合っていると、少しそんな阿部さんの不安が伝わって来た。
そして、触れ合っていると、安心もする。
私からも、阿部さんの背中に腕を回した…。
阿部さんは、少し乱暴に、私に触れる。
私の肌に触れる阿部さんの唇や手はとても熱くて、
その温もりに幸せを感じた。
阿部さんが私の中に入って来た。
痛みを感じながらも、私は最高に幸せを感じていた。