冬の花
「あんたの父親が居なくなって、
あかりの事で警察から電話あって。
あんたまだ未成年だから、親戚の誰かが暫く保護しないとって。
綾子ちゃんは一人っ子だったし、あんたのばーちゃんも入院してるし。
だから、従姉妹の私に連絡が来たんだろうね」
裕子さんからそう聞いて、
多分、裕子さんの両親や弟にもその連絡があったんだろうな、と思った。
そして、私を引き取ってもいいと思ったのは、裕子さんだけ。
「あんたが思っているように、
私も善意だけであかりを引き取ったわけじゃないけど。
前に話したように、綾子ちゃんとは本当に仲良かったし、
弟の子供達より全然あかりの方が可愛いと思う。
でも、あかりを引き取った最大の理由は、アイツらに私の稼いだお金を渡したくないから」
裕子さんはそう言って、私に養子縁組をしないか?と言った。
私が裕子さんの子供になれば、
裕子さんの死後、彼女の遺産は私に全て行く。
このままならば、裕子さんの財産は、もし裕子さんより長生きすればだけど、裕子さんの両親。
そして、裕子さんの弟に。
あー、なるほど、と思った。
嫌いな人間に財産を渡すならば、
血の繋がりはあるが他人のような私にでも渡す方がいいのだろう。
話しを聞いている感じ、その嫌いな人達はとてもお金を欲しがっているみたいだし。
でも、私と養子縁組しなくても、
全部裕子さんがお金を使ってしまえば?と提案したが、
「えっ?無理無理。
私一人じゃお金使い切れないくらいあるし、
それにこのマンションも買った物だからね、残るじゃない。
それに、私もいつ死ぬか分からないし。
明日かもしれないし。
もし明日なら、億以上残るから」
そう言って笑う裕子さんは、
どこか勝ち誇っているように見えたし、
その強さが私はとても羨ましかった。
それから、私はすぐに裕子さんと養子縁組をした。
裕子さんの財産が欲しかった以上に、
彼女の復讐に協力したかったから。
それから暫くして、養子縁組した事を裕子さんが自分の両親や弟に伝えると、
面白いくらいに彼らは慌てていたらしい。
私は裕子さんに学費を出して貰い、
東京都内の私立高校へと転校して通い出した。
その帰り道で、裕子さんの弟に待ち伏せされて、養子縁組を解消するように言われた時には、
思わず笑い出してしまった。
だって、そんな事をしたら、私の亡くなった母親や居なくなった父親が悲しむとか、そんな事を言うから。
他の家の子供になるなんて、
親に対する裏切りだって、必死にもっともらしく。
次に私の前に現れたら、
脅迫されたって警察に付き出すから、と言うと、
裕子さんの弟は二度と私の前に現れなかった。
あかりの事で警察から電話あって。
あんたまだ未成年だから、親戚の誰かが暫く保護しないとって。
綾子ちゃんは一人っ子だったし、あんたのばーちゃんも入院してるし。
だから、従姉妹の私に連絡が来たんだろうね」
裕子さんからそう聞いて、
多分、裕子さんの両親や弟にもその連絡があったんだろうな、と思った。
そして、私を引き取ってもいいと思ったのは、裕子さんだけ。
「あんたが思っているように、
私も善意だけであかりを引き取ったわけじゃないけど。
前に話したように、綾子ちゃんとは本当に仲良かったし、
弟の子供達より全然あかりの方が可愛いと思う。
でも、あかりを引き取った最大の理由は、アイツらに私の稼いだお金を渡したくないから」
裕子さんはそう言って、私に養子縁組をしないか?と言った。
私が裕子さんの子供になれば、
裕子さんの死後、彼女の遺産は私に全て行く。
このままならば、裕子さんの財産は、もし裕子さんより長生きすればだけど、裕子さんの両親。
そして、裕子さんの弟に。
あー、なるほど、と思った。
嫌いな人間に財産を渡すならば、
血の繋がりはあるが他人のような私にでも渡す方がいいのだろう。
話しを聞いている感じ、その嫌いな人達はとてもお金を欲しがっているみたいだし。
でも、私と養子縁組しなくても、
全部裕子さんがお金を使ってしまえば?と提案したが、
「えっ?無理無理。
私一人じゃお金使い切れないくらいあるし、
それにこのマンションも買った物だからね、残るじゃない。
それに、私もいつ死ぬか分からないし。
明日かもしれないし。
もし明日なら、億以上残るから」
そう言って笑う裕子さんは、
どこか勝ち誇っているように見えたし、
その強さが私はとても羨ましかった。
それから、私はすぐに裕子さんと養子縁組をした。
裕子さんの財産が欲しかった以上に、
彼女の復讐に協力したかったから。
それから暫くして、養子縁組した事を裕子さんが自分の両親や弟に伝えると、
面白いくらいに彼らは慌てていたらしい。
私は裕子さんに学費を出して貰い、
東京都内の私立高校へと転校して通い出した。
その帰り道で、裕子さんの弟に待ち伏せされて、養子縁組を解消するように言われた時には、
思わず笑い出してしまった。
だって、そんな事をしたら、私の亡くなった母親や居なくなった父親が悲しむとか、そんな事を言うから。
他の家の子供になるなんて、
親に対する裏切りだって、必死にもっともらしく。
次に私の前に現れたら、
脅迫されたって警察に付き出すから、と言うと、
裕子さんの弟は二度と私の前に現れなかった。