冬の花
6
合否の連絡はその翌日の夕方にあった。
事務所で発声のレッスンを受けている私に、
マネージャーの木元さんがドアのガラス窓からこちらに手招きしているのが見えた。
きっと、オーディションの連絡なのだと、
私は急いで木元さんの元へと向かった。
手応えはあったので、
主人公のリコ役は不合格でも、
主人公の親友役か、もしくは妹の役か…。
そこそこの役が貰えればいい。
「あかり…。あのね…」
私が側に行くと、木元さんの表情が暗くなった。
えっ?と、私は思う。
オーディションの連絡があったわけではないのだろうか?
どの役にも使って貰えないのならば、
わざわざこんなにも早く連絡なんて来ないだろうし…。
「今日のオーディションの合否なんだけど、
主役のリコの役はあかりは不合格みたい」
「う、うん…」
リコの役は最初からデキレースで、
三浦実奈(みうらみな)と言う、
人気アイドルグループのセンターの子に決まっている。
だから、主役に落ちた事は気にならない。
「けど、ぜひ、主役の親友の役をあかりにどうかって、
プロデューサーの橋田さんがおっしゃって下さってるみたいで」
「えっ!本当ですかっ?!」
私が表情を明るくしても、木元さんはまだ表情が暗い。
事務所で発声のレッスンを受けている私に、
マネージャーの木元さんがドアのガラス窓からこちらに手招きしているのが見えた。
きっと、オーディションの連絡なのだと、
私は急いで木元さんの元へと向かった。
手応えはあったので、
主人公のリコ役は不合格でも、
主人公の親友役か、もしくは妹の役か…。
そこそこの役が貰えればいい。
「あかり…。あのね…」
私が側に行くと、木元さんの表情が暗くなった。
えっ?と、私は思う。
オーディションの連絡があったわけではないのだろうか?
どの役にも使って貰えないのならば、
わざわざこんなにも早く連絡なんて来ないだろうし…。
「今日のオーディションの合否なんだけど、
主役のリコの役はあかりは不合格みたい」
「う、うん…」
リコの役は最初からデキレースで、
三浦実奈(みうらみな)と言う、
人気アイドルグループのセンターの子に決まっている。
だから、主役に落ちた事は気にならない。
「けど、ぜひ、主役の親友の役をあかりにどうかって、
プロデューサーの橋田さんがおっしゃって下さってるみたいで」
「えっ!本当ですかっ?!」
私が表情を明るくしても、木元さんはまだ表情が暗い。