冬の花

「この業界は、けっこう噂が回るから。
夕べ、俺が君をホテルに呼んだ事も、もう色々な人間が知ってるだろうね」


「そうでしょうね…」


だって、直接こっそりと鳴海千歳は私を誘ったわけではない。


誰に頼んで何人経由して、私のマネジャーの木元さんから私にその話が届いたのかは分からないけど。


秘密にしたいってより、
色々な人に知って欲しいって感じ…。


きっと、私がもし夕べ鳴海千歳とは何もなかったって言っても、
誰も信じないだろう。


だって、その後に主役まで貰って…。


あ、と私が彼の方を見ると、


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