冬の花
◆
「お久しぶりです。鳴海さん」
某スタジオの廊下の角で、壁にもたれている鳴海千歳を見掛け、
私はそっと彼に近付いた。
「ああ、君か。
そっちも撮影だっけ」
相変わらず、不機嫌そうな顔を私に向ける。
「ええ。
私は今は休憩中ですけどね。
ほら?鳴海さんのドラマも今ここで撮ってるって聞いたから、
もしかしたら偶然会えるかな?って」
そう笑い掛けても、不機嫌な表情を崩そうともしない。
「へぇ、偶然ね。
何にからツッコメばいいのか。
俺と君は全く仲良くないのに、
俺に何の用?」
そう言われ、確かに私と鳴海千歳は、
あのドラマの撮影中何度も顔を合わせたが、特に話す事はなかった。
仕事上の会話はあるけど、
ちゃんとこの人と話したのは、
あのホテルでの時が最後だったと思う。
こうやって何処かで見掛ける事もこの一年の間あったけど、
挨拶以上の会話もなかった。
「お久しぶりです。鳴海さん」
某スタジオの廊下の角で、壁にもたれている鳴海千歳を見掛け、
私はそっと彼に近付いた。
「ああ、君か。
そっちも撮影だっけ」
相変わらず、不機嫌そうな顔を私に向ける。
「ええ。
私は今は休憩中ですけどね。
ほら?鳴海さんのドラマも今ここで撮ってるって聞いたから、
もしかしたら偶然会えるかな?って」
そう笑い掛けても、不機嫌な表情を崩そうともしない。
「へぇ、偶然ね。
何にからツッコメばいいのか。
俺と君は全く仲良くないのに、
俺に何の用?」
そう言われ、確かに私と鳴海千歳は、
あのドラマの撮影中何度も顔を合わせたが、特に話す事はなかった。
仕事上の会話はあるけど、
ちゃんとこの人と話したのは、
あのホテルでの時が最後だったと思う。
こうやって何処かで見掛ける事もこの一年の間あったけど、
挨拶以上の会話もなかった。