冬の花
「さっきも言ったけど、キャスティングは俺はノータッチだし」
「けど、鳴海さんがどうしても役のイメージに合わないからって言えば、まだ世間に発表されてないし、簡単に変更出来ると思うんです。
彼女、大した役じゃないし」
「なんでそんなに保田美憂嫌いなの?
今迄仕事一緒とかあったっけ?」
「いえ。
会った事もない人です」
その言葉を聞いて、鳴海千歳は、心底意味が分からないって顔をしている。
「あー、まさか、と思うけど、
君の彼氏が彼女のファンだとか、そんな理由とかではないよね?」
「そうです。
ただ、彼氏ではないです。
私の片思い…」
そう口にして、私はまだ阿部さんに片思いしているのだと、
少しおかしくなった。
片思い、って言っていいくらい、純粋な気持ちなのだろうか。
「君、頭おかしいの?」
そう真剣に聞き返されて、流石に少し腹立ちが顔に出てしまう。
「人を好きになるって、そう言う事なんじゃないですか?
自分だけを見てて欲しい。
自分だけを愛して欲しいって。
ならば、それに邪魔になる存在は排除したいから」
「こっわー。
とにかく、俺は聞かなかった事にする。
勝手にプロデューサーとかに自分で掛け合えば」
「私、降りるから。
今回のドラマ出ない」
部屋から出ようと私に背を向けた彼に、そう言葉を投げた。
その言葉に効果が有ったのか、鳴海千歳は、私の方を振り返った。
「けど、鳴海さんがどうしても役のイメージに合わないからって言えば、まだ世間に発表されてないし、簡単に変更出来ると思うんです。
彼女、大した役じゃないし」
「なんでそんなに保田美憂嫌いなの?
今迄仕事一緒とかあったっけ?」
「いえ。
会った事もない人です」
その言葉を聞いて、鳴海千歳は、心底意味が分からないって顔をしている。
「あー、まさか、と思うけど、
君の彼氏が彼女のファンだとか、そんな理由とかではないよね?」
「そうです。
ただ、彼氏ではないです。
私の片思い…」
そう口にして、私はまだ阿部さんに片思いしているのだと、
少しおかしくなった。
片思い、って言っていいくらい、純粋な気持ちなのだろうか。
「君、頭おかしいの?」
そう真剣に聞き返されて、流石に少し腹立ちが顔に出てしまう。
「人を好きになるって、そう言う事なんじゃないですか?
自分だけを見てて欲しい。
自分だけを愛して欲しいって。
ならば、それに邪魔になる存在は排除したいから」
「こっわー。
とにかく、俺は聞かなかった事にする。
勝手にプロデューサーとかに自分で掛け合えば」
「私、降りるから。
今回のドラマ出ない」
部屋から出ようと私に背を向けた彼に、そう言葉を投げた。
その言葉に効果が有ったのか、鳴海千歳は、私の方を振り返った。