いつまでも…片想い  若葉色

 
 土曜日は気晴らしにショッピングへ行った。

 雑貨屋へ寄ると、以前から気になっていた夫婦茶碗と夫婦箸を見つけた。 彼氏が出来たら揃えたかった品だが、このまま縁が無いかもしれない。

 あの日買わなくて良かったのかもね。何故ならあれから神崎さんに手料理なんて作っていないから………彼氏でもないみたいだしね、一緒に買い物にも来たかったな。平日は会えるけど、突然来て泊まるだけで朝にはいないから食事は一緒にしていない。

 神崎さんからは連絡も何もない。少しは昨日の電話を気にしてくれているかも?と期待を抱いてしまったが、やはり私は神崎さんの中では比重が小さいとだと痛感した。

 神崎さんの心には神崎さんの世界が沢山あって、私の入る隙間はない。

 神崎さんの自宅も知らないから、行く事も出来ない。

 これが私達の距離……現実なのだろう。

 神崎さんが来ても居留守を使えばもう来ないかも知れない。

 ケータイだって連絡しなければ、このまま消滅するかも知れない。

 私は神崎さんをスルー出来るだろうか?

 もう少しだけ足掻いていたいと私の心が言っていた。
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