いつまでも…片想い  若葉色

 電車で家に帰りシャワーを浴びる。お昼を軽く食べ、いつもより多めに着替えを用意し13時に車で家を出た。
途中で隼を乗せて会場へ向かう。

「 何かあったのか?」

「 まぁな 」認めるとびっくりしてこちらを凝視している。

「 彼女出来たのか?」

「 出来たかもな」

「 なんだよ 羨ましいな いつの間にそんな人がいたんだ?」

「 夏に待ち合わせしていて 隼 遅刻したことあっただろ?あの時に初めて出会って、それからは遠目に会釈だけだったが、急展開があった 」

「 だからあの日機嫌が良かったんだな … 急展開ってなんだよ」

「 言葉の通り急展開だよ」

「 はぁ?そこが聴きたいところだろ ?」

「 名前は?」

「山内 七海」

「へぇ七海ちゃんか …でどんな展開があったんだ?」

「 2週間くらい前の夜に偶然、体調崩していた七海に会って車で自宅まで送ったんだ。 そのお礼にと食事に誘われて昨日会って来た 」

「ふーん、で、 どんなタイプだ?今度会わせろよ」

「 嫌だね」

「 お前のそんな独占欲珍しいな」

「 そうか?」

「今日 フットサル終わったらもっと聴くからな?」

「 ムリ」

「 何でだよ、今日も食べに行くだろ?」

「 今日は彼女と約束したから帰る 」

「 わかったよ、今度飲むとき聞くからな」

 もう大分話したと思うが違うらしい。
今日はいつもより身体が軽く感じる。顔馴染みのメンバーと試合をした。


 気持ち良い汗を流し 試合が終わった。みんなに挨拶をして会場を出る。
車に乗り込み《あと30分で着く予定》と連絡した。 《待ってます。気をつけて来て下さいね 》待っている人がいると思うとこそばゆくなる。
< 24 / 37 >

この作品をシェア

pagetop