いつまでも…片想い  若葉色
七海Side

 朝、目覚めると ベッドには私一人だった。リビングへ行くと彰くんに「おはよう」とキスされた。昨日の甘さがまだ続いているようだった。言葉は無いけど行動が優しかった。

 テーブルには コンビニのサンドウィッチが置かれて、彰くんがコーヒーを入れてくれる。

「 さっき、買ってきたんだ コンビニのサンドウィッチでごめんな 」言いながら頭をポンポンとしてくれた。赤面しそう…

「ううん 用意してくれてありがとう」

「 今日さ 10時からの同期会 行ってくるよ でも一時間で抜けるからデートしよう」

「いいの?」

「いいんだ、オレは七海といたい。だから食べ終わったら、七海を車で送っていく。で、同期会へ行ってくるから泊まりの支度して待ってて、2時間で迎えに来るから…」


 今日は思いがけない程の誕生日となった。

 綾乃に連絡しないとね。

《おはよう 昨日は心配かけてごめんね
今日は彰くんと過ごす事になりました
また改めて連絡するね!いろいろありがとう》

 直ぐに返信が来た。

《おはよう 良かったね
良い日になりますように!
お誕生日おめでとう》

《うん ありがとう》

 急いで支度をしたいが、進まない…
 昨夜の事が夢のようで、彰くんの眼差しやシチュエーションを思い出してはキュンキュンする。

 居酒屋へ来てくれた時の顔。手を繋いで歩いた事。火傷を心配してくれた事。
嬉しかった。

 気付けば約束の時間になってしまった。彰くんが車で迎えに来てくれた。さっき別れたばかりなのに、会えた事か嬉しかった。

「今日はどこへ行くの?」

「房総へ行こう 昼食は食べた?」

「まだだよ 仕度してたからあっという間だった」

「何が食べたい?」

「和食がいいな」

「海鮮系でいい?」

 道沿いのお店で海鮮丼とアサリの釜飯定食をいただいた。

 ドライブを楽しみながら、日が暮れる頃イルミネーションを観に行った。想像していたよりもとても広大で光りの美しさに圧倒された。園内を彰くんと手を繋ぎ歩いた。2人一緒に写真も撮った。

 帰りは近くのレストランへ寄り、今はホテルの一室にいる。
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