いつまでも…片想い 若葉色
部屋には 手配したシャンパンが冷やして置かれていた。これからが本番だ!
緊張してくるが気合を入れ直す。
「七海 お誕生日おめでとう…気に入ってくれるといいんだけど」用意したプレゼントを渡す。
「ありがとう」
七海が包みを開けるのを待つ。七海の表情が嬉しそうに変わったのを見て安堵した。ネックレスを取り出し着けようとするから、オレが後ろから金具を留めた。髪を持ち上げた襟足が艶めかしい。
「似合ってるよ 気に入ってくれた?」
七海の白い肌にとても映える。
「うん、大切にするね」嬉しそうに答える。
次が勝負だな。視線が外の夜景に向け深呼吸した。七海は夜景を眺めてる。
「月が綺麗ですね」
「えっ?!」驚いている。
「私にとって月はずっと綺麗でしたよ」
唐突になってしまったが七海はわかってくれた。満面の笑みで答えた七海の言葉に自信が湧く。
二人の関係にケジメをつける為に、
七海に向き合う。
「山内 七海さん オレと付き合って下さい」と手のひらに小さな箱を乗せて差し出した。
「はい、よろしくお願いします」
お辞儀をして七海が箱を受け取ってくれた。
「彰くんプレゼント2つもいいの?」
「いいんだよ、意味が違うんだから」
「意味?」
「誕生日とオレたち2人の記念かな」
「ウフッ、ありがとう…開けていい?」
「もちろん 開けてみて」
「可愛い!えっ?鍵が付いてるよ」
「オレの部屋の鍵 いつでも来て」
「ありがとう」
七海の頭撫でると、号泣してしまったが、顔を覗き込むと笑っていた。
2人で微笑む。オレも緊張がとけた。これでやっと恋人になれたんだ。
キスを繰り返しベッドへ誘う。
七海の身体を隅々まで堪能したいが、もう待てなかった、「七海ごめん」とつぶやき七海を一気に貫く。濁流にのまれるように抱いた。後から抱くときは艶めかしい襟足を攻め立てた。
果てている七海の身体に胸元だけでなく背中や首すじまでオレの痕を残す。赤い華に歓びが湧く。
背中に唇を這わせオレの手に馴染む胸と敏感になった下腹部をやさしく刺激する。段々と反応を返す身体を確かめるように手練を変えていく。
七海の声が切なく響く室内。七海の下腹部にもゆっくり丁寧にキスをして小さな蕾にもやさしく口づけをする。七海の叫びを合図にまた七海の中へ入った。
激しい時が過ぎ、七海はオレの腕の中で寝ている。
もし瑛と話していなかったら、オレは何も気付かず七海を手放していたかも知れない。
七海の誕生日もスルーしていたかも知れない。間に合って良かった。協力してくれたみんなに報告しないとな。
「ずっと一緒にいよう キスマークは怒らないでくれよ」
寝ている七海につぶやいた。