Sweet break Ⅳ
見上げれば、そこにはいままで見たことのない関君の横顔。

いつもの…クールな彼とは正反対の姿。

まるで小さな子供のように澄んだ目で、祭りの放ついくつもの光を集めてる。

何だろう…今まで知らなかった関君を発見する度に、幻滅するどころか、どんどん惹かれていく自分がいる。

そう気付くと同時に、頭によぎる新たに芽生えた一つの疑問と一抹の不安。


”関君の方から見た、今の私は、どう映ってるんだろう?”


考えてみたら、関君の口から自分に対する明確な想いを聞いた事は無かった。

そもそも職場でもプライベートでも、極々平凡な自分には、関君のような人に好きになってもらう要素が、全く見当たらないのに。

一体私のどこを好きになってくれたのだろう?

それこそこの半年間、職場以外のプライベートな素の私を知って、幻滅されてはいないのだろうか?


『…トッピングたこ焼き?』


浮かんだ不安は、唐突に聞こえた関君の声にかき消された。
< 119 / 145 >

この作品をシェア

pagetop