Sweet break Ⅳ
★
19時30分
ひとしきりお祭りの出店を堪能して、通りのちょうど中間辺りを横道に逸れると、小さな路地裏の先にある公園にたどり着く。
すっかり日の落ちた今、街灯がいくつかついているだけの薄暗い公園は、祭りの熱を覚ます人が涼を取りにやってくる。
園内に点在しているベンチは既に埋まっていたので、遊具の周りにあるカラフルな柵に腰をかけ、しばしの休憩。
『レモンで良かったか?』
『うん、ありがと』
関君が公園の手前で売っていたかき氷を買ってきてくれた。
持ちやすいように作られたコーンカップ型の容器を受取ると、まるで綿菓子のようにふわふわに盛られた氷山の一角にスプーンを入れ、一口堪能する。
途端に口の中に広がる、レモンの爽やかな味。
『ん!美味しいっ!っていうか、屋台によくある、かき氷のジャリジャリ感が全然無くて、口に入れた瞬間、スグ解けちゃう』
『店のこだわりで、純度が高い氷を使ってるらしい』
『へぇ本格的なんだね…あ、関君も食べてみる?』
『いや…俺はいい』
その声のトーンのあまりの低さに、隣に座る関君を見れば、何故か少し気落ちしているように見える。
『どうかした?』
『…いい歳して、はじゃぎすぎた』
『あ~お祭りだもん、誰でもテンション上がるよ』
ついさっきまで、通り沿いにある露店の食べ物や飲み物だけじゃなく、射的や金魚すくい、ヨーヨー釣りまで、子供に混じって積極的に参加していた関君。
その姿は、毎日のようにみている仕事中の関君よりも真剣で、あまりに想定外過ぎて可笑しかった。
19時30分
ひとしきりお祭りの出店を堪能して、通りのちょうど中間辺りを横道に逸れると、小さな路地裏の先にある公園にたどり着く。
すっかり日の落ちた今、街灯がいくつかついているだけの薄暗い公園は、祭りの熱を覚ます人が涼を取りにやってくる。
園内に点在しているベンチは既に埋まっていたので、遊具の周りにあるカラフルな柵に腰をかけ、しばしの休憩。
『レモンで良かったか?』
『うん、ありがと』
関君が公園の手前で売っていたかき氷を買ってきてくれた。
持ちやすいように作られたコーンカップ型の容器を受取ると、まるで綿菓子のようにふわふわに盛られた氷山の一角にスプーンを入れ、一口堪能する。
途端に口の中に広がる、レモンの爽やかな味。
『ん!美味しいっ!っていうか、屋台によくある、かき氷のジャリジャリ感が全然無くて、口に入れた瞬間、スグ解けちゃう』
『店のこだわりで、純度が高い氷を使ってるらしい』
『へぇ本格的なんだね…あ、関君も食べてみる?』
『いや…俺はいい』
その声のトーンのあまりの低さに、隣に座る関君を見れば、何故か少し気落ちしているように見える。
『どうかした?』
『…いい歳して、はじゃぎすぎた』
『あ~お祭りだもん、誰でもテンション上がるよ』
ついさっきまで、通り沿いにある露店の食べ物や飲み物だけじゃなく、射的や金魚すくい、ヨーヨー釣りまで、子供に混じって積極的に参加していた関君。
その姿は、毎日のようにみている仕事中の関君よりも真剣で、あまりに想定外過ぎて可笑しかった。