Sweet break Ⅳ
ブッーブッーブッー
スマホのバイブ音が聞こえた気がして、バックから取り出してみれば、関君からの着信が数回。
”どこにいる?”
”何かあったのか”
”連絡しろ”
心配するメッセージも、続けざまに入っている。
その短い文面から、本気で心配している様子が現れていた。
特別な言葉なんかより、今はそれが真実なのだと思いたかった。
『戻らなきゃ…』
すぐに関君に連絡しようと、もう一度スマホの画面を開くも、連絡先を開く前に、真正面から意外な人に声をかけられた。
『…朱音さん?』
聞き覚えのあるその声に顔を上がれば、インナーにアロハシャツを着た短パン姿の未来君が、まるで幽霊でも見たような顔で立っていた。
『未来君』
『やっぱり朱音さんだ。どうしたんですか、こんなところで』
『未来君こそ、どうして』
『忘れたんですか?僕、ここが地元ですよ。普通に花火見に来たに決まってるじゃないですか』
相変わらず、屈託ない顔で、無邪気に笑う。
地元の祭りということもあってか、かなりラフな私服姿の未来君は、会社で会うよりも年齢の距離感を感じず、年相応の青年だった。
『朱音さん1人ですか?』
『あ…うん、今は、1人なんだけど…ね』
『もしかして一緒に来た方と、はぐれちゃったとか?』
『まぁそんなとこ…かな』
笑って誤魔化すと、未来君は持ってたスマホで時刻を確認し、『でももうあんまり時間ないですよ』と呟く。
花火の打ち上げまでの時間を言っているようだ。
『そうだ、朱音さん。良かったら今から僕と花火観に行きませんか?良いスポット知ってるんで、案内しますよ』
『未来君ごめん。折角誘ってくれてありがたいのだけど、一緒に来た人が、私を探してくれてるから』
『ああ、それなら、後でその人も呼んであげたら良いですよ。どっちにしろ今からじゃ、海岸の方は一杯だろうし』
地元の人しか知らないとっておきの穴場だからと、推し進める。
まさか一緒に来た相手が、関君だなんて想像もしていない様子の未来君は、『時間が無いので、ほら急ぎましょう』と、半ば強引に、私の手を引き歩き出す。
スマホのバイブ音が聞こえた気がして、バックから取り出してみれば、関君からの着信が数回。
”どこにいる?”
”何かあったのか”
”連絡しろ”
心配するメッセージも、続けざまに入っている。
その短い文面から、本気で心配している様子が現れていた。
特別な言葉なんかより、今はそれが真実なのだと思いたかった。
『戻らなきゃ…』
すぐに関君に連絡しようと、もう一度スマホの画面を開くも、連絡先を開く前に、真正面から意外な人に声をかけられた。
『…朱音さん?』
聞き覚えのあるその声に顔を上がれば、インナーにアロハシャツを着た短パン姿の未来君が、まるで幽霊でも見たような顔で立っていた。
『未来君』
『やっぱり朱音さんだ。どうしたんですか、こんなところで』
『未来君こそ、どうして』
『忘れたんですか?僕、ここが地元ですよ。普通に花火見に来たに決まってるじゃないですか』
相変わらず、屈託ない顔で、無邪気に笑う。
地元の祭りということもあってか、かなりラフな私服姿の未来君は、会社で会うよりも年齢の距離感を感じず、年相応の青年だった。
『朱音さん1人ですか?』
『あ…うん、今は、1人なんだけど…ね』
『もしかして一緒に来た方と、はぐれちゃったとか?』
『まぁそんなとこ…かな』
笑って誤魔化すと、未来君は持ってたスマホで時刻を確認し、『でももうあんまり時間ないですよ』と呟く。
花火の打ち上げまでの時間を言っているようだ。
『そうだ、朱音さん。良かったら今から僕と花火観に行きませんか?良いスポット知ってるんで、案内しますよ』
『未来君ごめん。折角誘ってくれてありがたいのだけど、一緒に来た人が、私を探してくれてるから』
『ああ、それなら、後でその人も呼んであげたら良いですよ。どっちにしろ今からじゃ、海岸の方は一杯だろうし』
地元の人しか知らないとっておきの穴場だからと、推し進める。
まさか一緒に来た相手が、関君だなんて想像もしていない様子の未来君は、『時間が無いので、ほら急ぎましょう』と、半ば強引に、私の手を引き歩き出す。