Sweet break Ⅳ
★
約30分間のショータイム。
夜空に次々と浮かび上がる多種多様な花火も、いよいよクライマックス。
残り5分になり、華やかな色合いの比較的小ぶりな花火が、海面近くで連続で無数に打ちあがった後、突如訪れた静寂。
意図的に消された照明もいまだ再点灯しないことから、花火の打ち上げが終了したわけではなさそう。
時間的にも、最後の大花火が打ちあがるまでの小休止のようだ。
既に打ちあがった花火のスモークが、海岸から上がってくる風に乗って、かすかに鼻先を掠めれば、大人げなくワクワク感が増して聞く。
『次が最後だね。どんな花火なんだろう?』
『……』
何気なく呟いた問いかけに、関君からの返答はない。
不思議に思い、隣に立つ関君を見るも、何故か真っすぐ眼下の海を眺めながら、何かを考えているようだった。
『3回だな…』
『え?』
『計算間違いを、3回したんだ』
唐突にそう切り出された。
『えっと…何の話かな?』
あまりに何の脈絡も無く話し出すので、最初は何のことだかわからず、聞き返してしまう。
周りに照明のたぐいが一切なく、月明かりも今は薄雲に隠れていて、すぐ隣に立っているのに関君の表情は読み取れない。
約30分間のショータイム。
夜空に次々と浮かび上がる多種多様な花火も、いよいよクライマックス。
残り5分になり、華やかな色合いの比較的小ぶりな花火が、海面近くで連続で無数に打ちあがった後、突如訪れた静寂。
意図的に消された照明もいまだ再点灯しないことから、花火の打ち上げが終了したわけではなさそう。
時間的にも、最後の大花火が打ちあがるまでの小休止のようだ。
既に打ちあがった花火のスモークが、海岸から上がってくる風に乗って、かすかに鼻先を掠めれば、大人げなくワクワク感が増して聞く。
『次が最後だね。どんな花火なんだろう?』
『……』
何気なく呟いた問いかけに、関君からの返答はない。
不思議に思い、隣に立つ関君を見るも、何故か真っすぐ眼下の海を眺めながら、何かを考えているようだった。
『3回だな…』
『え?』
『計算間違いを、3回したんだ』
唐突にそう切り出された。
『えっと…何の話かな?』
あまりに何の脈絡も無く話し出すので、最初は何のことだかわからず、聞き返してしまう。
周りに照明のたぐいが一切なく、月明かりも今は薄雲に隠れていて、すぐ隣に立っているのに関君の表情は読み取れない。