Sweet break Ⅳ
定時を過ぎたというのに、再びパソコンに向かう落合さんに『まだかかりそう?』と声をかけると『後少しだけ…でも今日は、明日の準備もあるので、早めに上がります』と落合さん。
『…明日?』
スリープ中だったパソコンを再起動させると、もう一度身体をこちらに向ける。
『はい、明日から福岡に出張なんです』
『出張って…』
『今週から福岡でやってるうちの展示会を、一度見ておいた方が良いからと、関さんが』
福岡で行っているという展示会は、須賀君たち営業一課が現地で昨日から行っているもの。
確かに、直接会社の経営に携わる仕事に就いた彼女にとっては、勉強のためにも一度見ておくのは必要なのかもしれない。
でも、今回のそれって…。
『もしかして関君も…』
『はい、一緒に行ってくださいます。あちらでいろいろ説明してくださるようで…ありがたいです』
『…福岡じゃ日帰り…じゃないよね?』
『ええ、一応手伝いも兼ねたものですので、明日は一日。日曜の午前中の便で戻ります』
偶然にも、さっき関君から聞いたばかりの”週末の仕事”が、この出張のことだと知り、その出張先で彼女と共に一泊するという事実を知って、少なからず動揺してしまう。
それは明らかに業務上の出張で、泊まるホテルだって同室なわけじゃないに決まってるのに…。
『あ、朱音さん、ここにいたんですね』
不意に、給湯室の入り口に、未来君が顔を出す。
『未来君』
『定時になっても、朱音さん席に戻って来なかったんでどこ行ったのかと』
『えっと、ごめん。探してた?』
『いえ、ただ後でちょっと確認してもらいたい書類があって…って、あれ?落合もいたんだ?』
入口から入ってきた未来君が、その存在に気付き、落合さんに話しかければ、彼女はなぜか冷ややかな視線を向ける。
『…明日?』
スリープ中だったパソコンを再起動させると、もう一度身体をこちらに向ける。
『はい、明日から福岡に出張なんです』
『出張って…』
『今週から福岡でやってるうちの展示会を、一度見ておいた方が良いからと、関さんが』
福岡で行っているという展示会は、須賀君たち営業一課が現地で昨日から行っているもの。
確かに、直接会社の経営に携わる仕事に就いた彼女にとっては、勉強のためにも一度見ておくのは必要なのかもしれない。
でも、今回のそれって…。
『もしかして関君も…』
『はい、一緒に行ってくださいます。あちらでいろいろ説明してくださるようで…ありがたいです』
『…福岡じゃ日帰り…じゃないよね?』
『ええ、一応手伝いも兼ねたものですので、明日は一日。日曜の午前中の便で戻ります』
偶然にも、さっき関君から聞いたばかりの”週末の仕事”が、この出張のことだと知り、その出張先で彼女と共に一泊するという事実を知って、少なからず動揺してしまう。
それは明らかに業務上の出張で、泊まるホテルだって同室なわけじゃないに決まってるのに…。
『あ、朱音さん、ここにいたんですね』
不意に、給湯室の入り口に、未来君が顔を出す。
『未来君』
『定時になっても、朱音さん席に戻って来なかったんでどこ行ったのかと』
『えっと、ごめん。探してた?』
『いえ、ただ後でちょっと確認してもらいたい書類があって…って、あれ?落合もいたんだ?』
入口から入ってきた未来君が、その存在に気付き、落合さんに話しかければ、彼女はなぜか冷ややかな視線を向ける。