Sweet break Ⅳ
『やっぱり、ホテルの部屋に一緒にいた…のかな』
『十中八九、そう考えた方が自然でしょ』
飾らない紗季の言葉が、尚もぐさりと胸に突き刺さる。
一旦その事実を認めてしまうと、敢えて考えずにいた負の妄想に拍車がかかり、止めどなく良からぬ想像を掻き立てた。
『そうだよね…私、”彼女”って言ったって、未だにまともに手もつなげてないし、落合さんの方が誰が見たって魅力的だもん…関君がそういう気持ちになっても仕方ない…よね』
『朱音?』
『むしろ私と関君、まだ何も無くて良かったかもしれない。今ならまだ、心の傷が多少浅くて済んだっていうか…』
『いやいや、待ってよ、朱音。それはちょっと飛躍しすぎでしょ?』
紗季が慌てて否定する。
『別にホテルの部屋に一緒にいたからって、何も無いかもしれないし。そもそも、落合さん、体調崩してたんだし』
『体調崩してたら、そういう気は起きないもの?』
『それは…相手にもよるかも?…って!あのねっ、そんな純粋な顔して、そういう質問しないでよ』
『ごめん…』
何故か、顔を赤らめる紗季に叱られ、反射的に謝ってしまう。
紗季は小鉢に残っていた最後の煮物を口にすると、近くの店員にお茶のお代わりをお願いして、仕切り直したように、もう一度正面の私に向き直る。
『とにかく!私が言いたかったのは、二人がホテルの部屋で一緒にいたとして、関君がなんでそこ隠すのかって話。別に疚しいこと無いなら、隠す必要ないでしょ』
『それは…やっぱり疚しいことがあったから?』
『そこっ!あっさり受け入れないの!』
紗季は即座にピシャリと言うと、腕を組んで前かがみで歩み寄る。
『良い?しっかりしなさいよ。関君の”彼女”は朱音なんだからね。どっちにしたって、ちゃんと事実を知る権利はあるんだから』
『う…うん』
『それに、万が一にでも関君が朱音を裏切るようなことがあったら、そこは簡単に許しちゃダメだからね』
まるで自分事のように熱く語る紗季に圧倒され、流されるように頷いた。
『十中八九、そう考えた方が自然でしょ』
飾らない紗季の言葉が、尚もぐさりと胸に突き刺さる。
一旦その事実を認めてしまうと、敢えて考えずにいた負の妄想に拍車がかかり、止めどなく良からぬ想像を掻き立てた。
『そうだよね…私、”彼女”って言ったって、未だにまともに手もつなげてないし、落合さんの方が誰が見たって魅力的だもん…関君がそういう気持ちになっても仕方ない…よね』
『朱音?』
『むしろ私と関君、まだ何も無くて良かったかもしれない。今ならまだ、心の傷が多少浅くて済んだっていうか…』
『いやいや、待ってよ、朱音。それはちょっと飛躍しすぎでしょ?』
紗季が慌てて否定する。
『別にホテルの部屋に一緒にいたからって、何も無いかもしれないし。そもそも、落合さん、体調崩してたんだし』
『体調崩してたら、そういう気は起きないもの?』
『それは…相手にもよるかも?…って!あのねっ、そんな純粋な顔して、そういう質問しないでよ』
『ごめん…』
何故か、顔を赤らめる紗季に叱られ、反射的に謝ってしまう。
紗季は小鉢に残っていた最後の煮物を口にすると、近くの店員にお茶のお代わりをお願いして、仕切り直したように、もう一度正面の私に向き直る。
『とにかく!私が言いたかったのは、二人がホテルの部屋で一緒にいたとして、関君がなんでそこ隠すのかって話。別に疚しいこと無いなら、隠す必要ないでしょ』
『それは…やっぱり疚しいことがあったから?』
『そこっ!あっさり受け入れないの!』
紗季は即座にピシャリと言うと、腕を組んで前かがみで歩み寄る。
『良い?しっかりしなさいよ。関君の”彼女”は朱音なんだからね。どっちにしたって、ちゃんと事実を知る権利はあるんだから』
『う…うん』
『それに、万が一にでも関君が朱音を裏切るようなことがあったら、そこは簡単に許しちゃダメだからね』
まるで自分事のように熱く語る紗季に圧倒され、流されるように頷いた。