Sweet break Ⅳ
『倉沢さん、先日関さんと私が行った福岡の出張先で、ホテルの部屋が一部屋しか取れてなかったって話は、知ってますよね？』
『…手配ミスがあったってことは聞いてる』

嘘を吐く必要もないので、正直に答えた。

『昨日出社したら、何だかお二人の様子が変で…もしかしたら、その件が原因ではないかと…違いますか？』
『それは…』

”関係ない”と直ぐに答えることができず、黙ってしまう。

これではその通りだって言っているようなもの。

落合さんもそう受け取ったようで、『やっぱり』と小さく息を吐いた後、意を決したように話し出した。

『あの日、本当は朝から調子があまりよくなくて、初めての出張で緊張してたっていうのもあったんですけど、関さんにも黙って、少し無理をして行ったんです』

落合さんの話によれば、日中はそれでも気力で何とかもったものの、夕方業務が終了した途端、気の緩みもあって一気に体調が悪化してしまったとのこと。

そんな落合さんの為に、関君が打ち上げを断って宿泊先のホテルに送ってくれ、そこで一部屋しか予約されていないことが発覚。

とりあえず、フラフラで足元のおぼつかない落合さんを、関君が部屋まで運んでくれたことを教えてくれた。
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