Sweet break Ⅳ
―――”いくら会社の後輩でも、嫌なものだろ。アイツの嫌だと思うことはしたくない。俺はずっとここにはいるから、落合は安心して身体を休めろ。もし具合が悪くなったらすぐに言え。お前を介抱するくらいなら、アイツだって問題ないはずだ”――
『…あんな関さん、初めて見ました。倉沢さんのことを話する時、いつも淡々とお仕事をされてる関さんからは想像も出来ないくらい優しい表情で』
その時のことを思い出したのか、また笑みをこぼし『みてるこっちが恥ずかしくなるくらいに』と付け加える。
きっと関君が彼女にそう言ったのも、先週の金曜、給湯室で自分が言ったことが、少なからず影響しているようで、関君にも落合さんにも、申し訳ない気持ちになる。
『何か…いろいろごめん』
『倉沢さんが謝ることなんて、何もないですよ』
落合さんは『おかげで、関さんの意外な一面を知ることもできましたし』と、眼鏡の縁を持ち上げながら、いたずらっ子のような笑みを見せる。
『もちろん、倉沢さんと二人でいる時の関さんは、私たちには見せないもっと甘くて優しい顔されているんでしょうけど』
そう言われて、何気なく二人でいる時の関君を思い起こす。
…確かに、社内での関君とは、何かが違ってる。
物腰や声のトーン、視線が合う瞬間の眼差し。
どれをとっても、会社にいる時のそれとは少し違っていて、いくらも柔らかく穏やかに感じる。
それは単に職場ではないプライベートな開放感からだと思っていたけれど、もしかしたらそれだけじゃなかったのかもしれない。
―――私だけが”特別”って、己惚れても良いのかな?
そんな都合の良い解釈が浮かんでは、尚更、自然に頬が紅潮してきてしまう。
『…あんな関さん、初めて見ました。倉沢さんのことを話する時、いつも淡々とお仕事をされてる関さんからは想像も出来ないくらい優しい表情で』
その時のことを思い出したのか、また笑みをこぼし『みてるこっちが恥ずかしくなるくらいに』と付け加える。
きっと関君が彼女にそう言ったのも、先週の金曜、給湯室で自分が言ったことが、少なからず影響しているようで、関君にも落合さんにも、申し訳ない気持ちになる。
『何か…いろいろごめん』
『倉沢さんが謝ることなんて、何もないですよ』
落合さんは『おかげで、関さんの意外な一面を知ることもできましたし』と、眼鏡の縁を持ち上げながら、いたずらっ子のような笑みを見せる。
『もちろん、倉沢さんと二人でいる時の関さんは、私たちには見せないもっと甘くて優しい顔されているんでしょうけど』
そう言われて、何気なく二人でいる時の関君を思い起こす。
…確かに、社内での関君とは、何かが違ってる。
物腰や声のトーン、視線が合う瞬間の眼差し。
どれをとっても、会社にいる時のそれとは少し違っていて、いくらも柔らかく穏やかに感じる。
それは単に職場ではないプライベートな開放感からだと思っていたけれど、もしかしたらそれだけじゃなかったのかもしれない。
―――私だけが”特別”って、己惚れても良いのかな?
そんな都合の良い解釈が浮かんでは、尚更、自然に頬が紅潮してきてしまう。